新型コロナウイルスワクチン、2回目の接種をしなかったらどうなる?
2回目の接種を受けないとどうなるのか。期日より遅れて接種しても大丈夫なの? そんな疑問に専門家が解説!
新型コロナウイルスワクチンの2回目の接種を受けないと、有効性が弱まり免疫の存続期間が短くなる可能性があると専門家。
アメリカでは、ファイザー製でもモデルナ製でも1回目の接種から42日以内に2回目を予約できる。
2回目の接種を逃した場合、たとえ数ヵ月後に遅れて打っても、1回しか接種しないよりはまだいい理由を専門家が説明。
2回目の摂取が大事な理由とは?
ファイザーやモデルナのメッセンジャーRNAタイプのワクチンをできる限り効果的に作用させるためには、2回接種する必要がある。イギリスの医学誌『BMJ』(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)に掲載された研究では、ファイザー製ワクチンは1回の接種では新型コロナウイルス感染防止に52%の効果しかない一方、モデルナ製ワクチンは接種後2週間で80%以上の効果があると示唆していると、BBCとWHOがレポート。CDCによると、どちらのワクチンも、2回とも接種後の短い期間は命に関わる感染防止に90%を優に超える効果があったという。
1回だけの接種で、感染予防にどの程度の効果があるのか?
2回のうち1回しか接種しない場合の長期的に見た免疫効果については、まだ限られた研究しかなされていないが、初期のデータからは、1回だけでも有意な免疫の源となるものができると示唆されている。
13週間にわたり6つの州の3950人の参加者を対象に行った調査では、どちらのメーカーのワクチンも1回の接種で80%の感染予防効果があったことが証明されたとクマン医師は説明。
「いずれかのワクチンを1回接種すると、接種から2週間以上後の感染リスクは80%下がりました。ジョンソン&ジョンソン製も含めすべてのワクチンはコロナ感染による死亡を防ぐのに100%効果的だということに留意することが重要です。それがおそらく最終的にもっとも重要なポイントです」と彼。
1回しか接種しなくても有害な副作用は起こらない。免疫機能に副作用が残ることはない。では、なぜ2回接種することが不可欠なのだろう?
アメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長のアンソニー・ファウチ医師は最近、1回だけでは2回とも受けた場合ほどの免疫は獲得できないかもしれないことを示唆。
「1回の接種後の予防効果は80%ですが、それはどこか不安定な80%なのです。1回だけだと、その免疫がどのくらい持つかというのが問題です」とファウチ医師。
2回とも接種した成人でも新たな変異株が問題になっていることから、1回の接種では変異株に対する予防効果はさらに弱まるのではないかとファウチ医師は加える。「ですから、2回接種の効果がないと不安定な状態だというわけです」。
2回目に1回目と別のメーカーのワクチンを接種することは可能?
1回目でひどい副作用があったからとか、1回目のワクチンの2回目を予約するのが難しいからと、ファイザーからモデルナへ、あるいはその逆にスイッチできないかと考えている人がいるかもしれない。
2回目接種の期限を犠牲にしても、2回とも同じワクチンを受けるべきとの立場を維持している。
では、なぜ、それが重要なのだろう?
「2回目に違うワクチンを接種するのは理論上は可能かもしれませんが、研究も推奨もされていません」とクマン医師。
「1回目から2週間後に予防効果ができることを考え、同じメーカーのワクチンが受けられるまで待ったほうがいいですね」。
非常に稀だが、ジョンソン&ジョンソン製のワクチン(1回の摂取だけで済む)がメッセンジャーRNAワクチンの2回目の接種の代わりになるケースもあり得る。しかし、これは現在のCDCのガイドラインでは、深刻な酌量すべき事情を持つ患者に、医療機関が別のワクチンをリクエストするよう勧めた場合に限られる。
2回目に別のメーカーのワクチン接種を検討するよりは、まったく異なるタイプのワクチンを使うほうが結局はいいようだ。